Q.肛門の周りにウミがたまり手術をくり返しています。
5年前、肛門の周りにウミがたまって腫れて痛み、手術でウミを出してもらいました。
しかし、その後も再発をくり返し、そのたびに手術を受けました。
現在もウミが少し残っているようで痛みもあるんですが、医師は痛みがひどくなれば、また手術もといいます。この病気は完全には治らないのでしょうか。


肛門の周りに、くり返しウミがたまることから膿皮症も考えられますが、お話から、深いところに及んでいるようなので、痔瘻と思われます。
それも深くて複雑な坐骨直腸窩(か)痔瘻でしょう。
痔瘻とは、便の中のバイ菌が肛門官の内側の一部から侵入して、肛門の周りに炎症をおこしたものです。
お尻の奥にある直腸と肛門の境には歯状線というデコボコしたヒダがあります。
そこには8個くらいのポケット状にへこんだ部分(肛門小窩と呼ばれる)があり、底には肛門腺が開口しています。
軟便や下利便の時、そのへこみにバイ菌が侵入して炎症をおこし、この炎症が肛門腺の管から肛門腺へと拡がり、ついに化膿して肛門の周りにウミがたまり、肛門周囲膿瘍となります。
お話によると、排便と関係なく痛みが強くなり、切開をしてウミを出す手術を何度も受けられたようですが、それだけではこの病気は治りません。
急性の炎症が一時的におさまっただけで、後には膿の管が残り、痔瘻となり、瘻管が枝分かれをして、また再発しているのです。
深くて複雑な痔瘻を長年にわたり放っておくと、ガンになる可能性も出てきます。ですから早めにバイ菌の侵入口とウミのもとを完全に除去する根治手術を受けなければなりません。
質問者の場合、バイ菌の侵入口は肛門の後方にあるものと思われます。
診察は、指を入れてシコリを確認することよりも、バイ菌の侵入した入口を見つけることが重要です。
それには腫れのひいた時期がわかりやすく、手術もその方が傷が小さくて済みますから、痛みが軽くなった今がチャンスです。
痔疾患の研究は近年急速に進歩しており、専門でない先生方には、その辺の十分な知識がないと思われます。
早く肛門科の専門医に治療を受けられることをお勧めします。